防災訓練 「義務だからやる」で終わっていませんか?

今年も6月から7月にかけて、3つのホームそれぞれで春の防災訓練を行いました。

年2回の恒例行事ともなると、利用者さんから「また同じことするの?」と聞かれたり、そっと不参加を決め込む方がいたり。あなたの事業所でも、心当たりがあるのではないでしょうか。

今回の訓練では、大型地震後を想定して新しい試みにも挑戦しました。

  • 長期保存食を夕飯に食べてみる
  • 非常袋に「五感を守るもの」を入れる

夕方の世話人さんには水を使わない調理をお願いし、利用者さんには水を入れて1時間待つご飯と、温めずに食べられるレトルトカレーを夕飯として食べてもらいました。

非常食の味見や、いつもと違うおかずに利用者さんも少しワクワクした様子で、面白がって水を入れて混ぜていました。いざという時に自分で非常食を食べる練習にも、きっとなったはずです。

一方で、非常食の封を開けられない方や、懐中電灯の使い方がわからない方がいたりと、毎年新しい発見があります。今回は「次は非常トイレのセッティングもやってみたい」というリクエストも出ました。

このやりとりを通じて、防災訓練は「義務」を超えて、事業所の質を映す鏡になり得ると改めて感じています。

防災訓練は、どこまでが「義務」なのか

防災訓練は、消防法や厚生労働省の運営基準などによって、障がい福祉サービス事業所であれば基本的に実施が求められています。回数や内容はサービス種別や規模によって異なりますが、「うちは対象外だからやらなくていい」という事業所は、まずありません。細かな基準は所轄の消防署や自治体に確認するのが確実です。

防災訓練の”もう一つの価値”

義務のラインを押さえた上で、事業所を預かるあなたにお伝えしたいのは、防災訓練は単なるコンプライアンス対応で終わらせるにはもったいない、ということです。

非常食を開けられない、懐中電灯が使えない。そんな「やってみて初めてわかること」は、日常の支援計画を見直すヒントになります。

訓練時の職員の動きは、実際の緊急時にどう動けるかを映す予行演習でもあります。属人的な対応になっていないか、確認する機会にしてみてください。

職員が誘導するだけでなく、利用者さん自身が非常食を食べる、明かりをつける。当事者としての体験を組み込むことで、訓練の実効性そのものが上がっていきます。

まとめ

防災訓練は、法令・運営基準上の義務であると同時に、事業所の支援の質や職員の対応力を映す機会です。「次は非常トイレのセッティングもやってみたい」という利用者さんからのリクエストのように、毎年少しずつテーマを更新していくことで、義務的な訓練は実践的な訓練へと育っていきます。

あなたの事業所では、防災訓練でどんな工夫をされていますか?

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